「伴走型」はto求職者だけでなく、to企業とも │ 株式会社Skillnote様
日本のGDPの2割を占める製造業。人材不足や技術革新など、事業環境の変化によって、技能伝承や多能工化、リスキリングなど”人材”に関する課題が顕在化しています。この課題に対して、技術者や技能者が持つ専門スキルの一元管理・可視化を通じ、戦略的な人材育成や配置に役立てられるスキルマネジメントシステムを提供しているのが、株式会社Skillnoteです。
Izulは、株式会社Skillnoteの採用をご支援しています。Skillnoteの特徴や今後の展望、求める人物像について、取締役 COOの高野さん、人事担当の大久保さんにお聞きしました。
<プロフィール>
高野 雄治(たかの ゆうじ)さん:株式会社Skillnote 取締役 COO
東京大学大学院卒業後、新卒でボストンコンサルティンググループに入社し、幅広く経営コンサルティング業務を経験。その後、経営共創基盤に参画し、製造業やメディア系企業を中心に、ハンズオンでの戦略構築・実行支援に従事。エムスリーにて、営業グループのリード、製薬企業向け営業DX事業の責任者に加え、グループ会社エムスリーマーケティングの副社長を兼任。2022年にSkillnoteに参画し、セールスマーケの基盤構築を推進。
大久保 亘(おおくぼ わたる)さん:株式会社Skillnote 人事
早稲田大学卒業後、CtoCプラットフォームを運営するスタートアップに入社。営業・マーケティングを幅広く経験した後、経営企画部に異動し、人事領域を担当。2022年にSkillnoteに参画し、1人目人事として、採用体制の立ち上げ、組織開発、1on1や評価制度など人事制度の設計に従事。現在はHRBPとして、各事業部の中長期計画から逆算し、採用〜組織開発まで一気通貫で課題解決に取り組む。
中田 潤一(なかた じゅんいち):株式会社Izul 代表取締役
https://izul.co.jp/consultants/nakata/
齊藤 穂奈美(さいとう ほなみ):株式会社Izul コンサルタント
https://izul.co.jp/consultants/saito/
「製造業のスキルマネジメント」という明確でインパクトのある課題にアプローチできることが入社理由
ー高野様のご経歴や、Skillnoteに入社を決めた理由について教えてください。
高野:ボストンコンサルティンググループ、経営共創基盤、エムスリーを経験した後に、Skillnoteに入社しました。意図せずでしたが、ピュアな戦略構築からハンズオンで経営全般の支援を行い、メガベンチャーを経験してスタートアップに行くという流れです。
中田:数あるスタートアップの中から、Skillnoteを選んだのはなぜですか?
高野:理由は大きく2つあります。1つは明確な課題にアプローチできるプロダクトや事業に携われると感じたからです。
2つめは、代表の山川が誠実さを体現していると感じたことです。対人の印象としてもそうですし、面接の場でSkillnoteの弱い部分も包み隠さず話してくれました。組織の課題を話した上で、セールス組織を中心に一緒に強化してほしいと伝えてくれたのです。選考の過程で会った他のメンバーについても共通して誠実な印象をもちました。バリューを非常に大事にしていることが伝わってきて、皆が同じ方向を向いていると感じました。
中田:オープンに話してくれたことから、誠実さを感じられたんですね。選考時に誠実な印象でも、入社してみるとギャップがあるという話を聞くこともあります。入社後のギャップはありましたか?
高野:ギャップは本当にないですね。真面目で誠実な人たちが多く、全社一枚岩で日々スピード感を持って取り組むことが出来ていると感じています。
中田:高野さんは製造業に深く関わったご経験はなかったと思うのですが、なぜSkillnoteのプロダクトの必要性を感じられたのでしょうか?
高野:面談の際に、情報をマスキングした状態で製造業のスキルマネジメントの実態を見せてもらいました。その状態と、Skillnoteが実現できることを比較すると、相当な乖離があると感じたのです。人や組織の生産性向上は日本社会の重要課題であり、製造業は従事者が1000万人以上いるといわれる産業です。だからこそ、そのインパクトは大きいだろうと推測しました。
潮目にあるSkillnoteだからこそ感じられる「新たなマーケットの創出」という醍醐味
―Skillnoteの具体的なサービス内容を教えてください。
高野:製造業のスキルマネジメントを支援する「Skillnote」というSaaSを提供しています。
製造業では、「ISO9001」を代表例とした品質マネジメントシステムに関する規格の認定を受けている企業が多いのですが、この規格の要求事項に、従業員が持つスキルの適切な管理や計画的な育成、その証拠となる記録の蓄積などがあります。ただ、実態は、各工場内の部署単位で、フォーマットすら統一されておらず、紙やExcelを使った手運用で行っている企業が大半です。お客様からよくお聞きする声として、監査のために対応しているものの、せっかく管理しているスキルのデータが活用されず、形骸化している、といったものがあります。
「Skillnote」を活用すれば、従業員それぞれのスキルや資格、過去の業務経歴を、組織を横断して一元管理・可視化できます。また、個々人のスキルを向上させる育成計画の立案、そして計画実行の記録といった一連の管理プロセスもすべて「Skillnote」上で実行できます。これにより、紙やExcelの運用で発生する管理コストを大幅に削減できます。
さらにここ数年で、そのスキルデータを、計画的な人材育成や最適な配置にまで活用した事例をお客様と一緒に創れるようになりました。例えば、技能伝承といっても、何を優先して伝承すべきか見えないというお客様において、スキル単位でシニア層に偏るものを特定し、若者への移植状況を定量的にモニタリングすることが可能です。
齊藤:競合にあたる会社はありますか?
高野:最大の競合はExcelですね。スキルマネジメントの重要性について、認知は徐々に広まってきているものの、導入時の体制作りや継続的な仕組み化など負荷もかかるため、これまで通りExcel管理でいいのではないかと判断される企業も一定数います。
齊藤:そういった企業に対して、セールスはどのような提案をしているのでしょうか?
高野:一例ですが、提案初期にやりとりする方と意思決定権を持つ方との間で「Skillnote」で解消したい課題にズレが生じることが多々あります。現場は工数・手間の解消を、意思決定者は組織に付加価値をもたらすものなのかを判断軸とすることが多いです。組織として、技能伝承を筆頭に、多能工化、キャリア開発、品質事故リスクの低減など課題は様々です。そのため、いかに早い段階で「彼らが解決したい本質的な課題は何か」を捉えることに、私達は強いこだわりを持っています。そして、社内で提案を推進する方に伴走しながら、「Skillnote」を活用すべき理由を整理し、予算・執行の稟議が通るようにサポートします。お客様の成功が第一のため、顧客の課題解決に対し、Excelまたは他のシステムがよいのではと判断したら、躊躇せず、提案をストップします。
中田:技能伝承は製造業にとって大きな課題ですよね。社内で特定のスキルをもった人を調べてみると、実は定年間近の人しかできる人がいない、なんてこともあると聞いたことがあります。スキルマネジメントシステムは、製造業の企業のニーズが強いだろうと感じます。導入を決める企業は、Skillnote社のどんな点に魅力を感じているのでしょうか?
高野:当社を選んでいただける理由はいくつかあります。1点目は代表山川の存在です。彼は信越化学という世界有数の競争力を持ったメーカーで長く経験を積んだうえで当社の事業を立ち上げました。現場も経験しているからこそ、製造や生産だけでなく、設計や開発などを含めた複数部門のニーズに答えられるプロダクトをつくることができたと考えています。
2点目は、従業員数が55名の会社でありながら、製造業のエンタープライズ企業との取引実績が多いことです。THKやSAPとのアライアンスや富士通との資本業務提携などが事例としてありますが、製造業のエンタープライズ企業を中心としたお客様において、安心感を抱いていただける理由にもなっています。
3点目は、プロダクトの提供に加え、スキルマネジメントに関する知見を提供できている点です。スキルデータは機密情報のため、他社情報はほとんど世に出ませんが、当社は150社以上の支援を通じ、スキル体系やその運用に関する知見を多く蓄積しております。
―Skillnoteのフィールドセールスだからこそ得られる経験について教えてください。
高野:得られる経験としては2点あります。まず、エンタープライズ向けのセールス経験を得られることです。「Skillnote」を導入するまでには、現場担当者だけでなく、意思決定者や情報システム部門、人事担当者、または他拠点の関係者など幅広いステークホルダーと関わります。こうした方々を巻き込みながら、4〜5ヶ月ほどのリードタイムの中で提案を進めていくというエンタープライズセールスの経験ができます。同時に、課題は顧客ごとに違うため、お客様の声や要望に伴走しながら、都度適した提案活動を行うことも面白さの一つです。
2点目は、SAPやTHK、富士通等、製造業領域におけるトッププレイヤーと、事業開発要素を含んだ難易度の高い共同提案を経験できることです。顧客に提供できる価値が増える一方で非常に複雑なプロジェクトのハンドリング力が必要になります。
中田:担当者とのやり取りだけではない、本流のエンタープライズセールスが経験できる機会はSaaS企業では少ないので、いい経験ができそうです。今のタイミングでSkillnoteに参画する醍醐味についても教えてください。
高野:現在55名のメンバーのうち、セールスは10名です。営業の型づくり、モニタリング手法は直近大きく進化したものの、これから加わってくださる方と、今後もSkillnoteのセールスとしてあるべき姿を継続的に磨き、作り上げていきたいと考えています。
また、まだ世の中に浸透していないスキルマネジメントというマーケットを作っていくやりがいを味わえるのは、今だからこそ感じられる醍醐味です。ここ1年ほどで急激に当社の潮目が変わってきていると感じています。資料請求数が倍以上になり、受注数も非連続に伸びています。展示会に出展すると「あのSkillnoteですね」と言ってもらえることが増えてきました。
中田:企業側のスキルマネジメントへの関心が高まったというより、もともとあったニーズがSkillnoteに集まるようになってきたのでしょうか?
高野:そうですね。顕在化してきているという実感はあります。「ここを解消したかったんだよね。かゆいところに手が届くサービスですね」という声をよくお聞きします。今後も、スキルマネジメントの必要性をお客様に実感してもらうために、どんどん提案を行っていきたいですね。
活躍するのは「積み重ねたものを壊してでも学ぶことが出来る人」
―どのようなバックグラウンドをもつ方が活躍していますか?求める人物像を教えてください。
高野:バックグラウンドとして無形商材のセールス経験を持っているメンバーが多く、その経験は活きると思います。また、特徴的な点としては、バリューへの共感が非常に強いメンバーが多いです。
そのうえで、活躍する・求める人物像のポイントは「顧客への関心」と「一から学ぶ胆力」です。事業領域が特化される一方で、顧客課題は単一のものではないがゆえに、お客様の課題に関心を持ち、いかにそれを引き出すかが重要です。また、ほとんどのメンバーが入社時点で製造業に詳しかったわけではなく、入社後にキャッチアップしています。新たな知識を柔軟に獲得する意志があれば活躍は充分に可能だと考えていますし、実際にそうしたメンバーの成長は目覚ましいです。
そのためには、これまで積み重ねてきたものをいったん壊してでも学ぶことが重要です。キャッチアップして成果が出せるようになるまでには、真正面を向いて頑張っても半年ほどかかります。じっくりと腰を据えて、粘って学んでいく胆力のある人と一緒に仕事をしていきたいですね。
大久保:高野からもあったように、当社はコア・バリューを非常に大事にしています。全てのバリューが大事だと考えていますが、その中でも、社内で活躍している方は共通して「全員プロダクトオーナー」というバリューを強く体現している方が多いです。ですので、こうしたバリューに共感いただける方には是非来ていただきたいです。
※「全員プロダクトオーナー」・・・1⼈1⼈がSkillnoteの代表という当事者意識をもって必要な場合は自分の業務外・他部⾨のことであっても躊躇せずに動いていこうという想いを込めている
―今後のキャリアとして、どのような可能性がありますか?
高野:前提として、本人の志向や組織のあるべき姿を考えた上で、柔軟にキャリアパスを提示したいと考えています。フィールドセールスについては、まずセールス組織の中でマネージャーを目指す選択肢があります。
また、SAPやTHKなどとプロダクト連携を行い、難易度の高いコミュニケーションを顧客と取りながら、大規模な案件を動かして事業開発を行うという方向性もあるでしょう。お客様にさらに伴走したいという志向の人の場合は、カスタマーサクセスに転向する選択肢もあるでしょう。海外展開も予定しているので、海外に踏み出すというキャリアパスも考えられます。
齊藤:海外ではどのような展開を考えられているのでしょうか?
高野:製造業における日系企業のプレゼンスは非常に高く、日系企業の海外拠点でSkillnoteを活用していただき、その事例を提示することで外資系企業にもアプローチしております。 スキルマネジメントのフレームや業務プロセスは、海外も類似しているケースが多いです。その理由は、差異はあれど、ISOが国際基準であるため、日本と同様の課題を海外の製造業の企業も抱えているからです。
事業拡大を加速させ、Skillnoteの立場を強固なものに
―今後の事業展開について教えてください。
高野:現在、事業がスケールするフェーズにあります。プロダクトの認知が広がり、協業などの効果もあって案件数も拡大中です。この拡大をさらに加速していくためにやるべきことは多々ありますが、まずはベーシックにセールス組織の人員を拡大していくことです。
そして、より中長期的には、Skillnote固有の価値をさらに高めていきたいと考えています。製造業の事業部/現場のスキルマネジメントの第一人者として認知していただけるよう、プロダクトの日常的な改善はもちろんのこと、自社での2nd/3rdプロダクトの立ち上げも行っていく予定です。
中田:ニーズが広がっているエリアはあるのでしょうか?
高野:現時点では全国を対象にしていますが、東海エリアは展示会に行ったときの反応が違いますね。自動車関連を中心に製造業が活発な地域ですが、Skillnoteとの相性がよいと考えられます。当社は名古屋にもオフィスがあり、採用も活発に行っています。
―事業展開を考える上で、力を入れていくべきだと感じていることはありますか?
高野:事業展開を実行するにあたっては、組織・人の課題という壁は乗り越えなくてはなりません。人数が増えていくと一体感を持ってバリューを大事にしていくことが難しくなるため、いかに維持していくかを考える必要があります。加えて、今のメンバーが1年後、2年後のリーダーになっていくことを期待しているので、彼らの成長をどう支えるかも重要な課題です。
また、明確な競合ではないものの、タレントマネジメントシステムの中に、オプションとしてスキルマネジメントというワードを使っている会社も増えてきています。
課題は盛り沢山ですが、引き続きプロダクトと顧客提案力を強化し、製造業のスキルマネジメントの第一人者として、市場をリードしていきたいと考えています。
―ありがとうございました!