理解の難しいビジネスモデルや人材要件をしっかりと把握してくれるエージェント|株式会社ABEJA様
ChatGPTが脚光を浴び、AIへの注目がより高まっています。しかし、株式会社ABEJAは11年前の創業時からテクノロジーを活用し、クライアントとワンチームで課題に取り組み続け、多くの成果を残してきました。
Izulは、株式会社ABEJAの採用をご支援しています。DX・AI業界の先駆け的な存在であるABEJAの特徴や今後の展望、求める人物像について、取締役CSOの外木さん、人事マネージャの森田さん、丸山さんにお聞きしました。
<プロフィール>
外木 直樹(とのぎ なおき)さん:株式会社ABEJA 取締役CSO/CEO室長
愛知県名古屋市出身。名古屋大学経済学部在籍時に、グローバル人材育成プログラム成績優秀者に採択。また大学時代にVOYAGEGROUP名古屋ラボの立ち上げに参画し、事業責任者としてスマートフォン関連の新規事業開発に従事。2012年、大企業向け新規事業コンサルティングに特化したオープンアソシエイツ(現PRAホールディングス)に新卒入社し、複数の大手一部上場企業の新規事業立ち上げ、PJマネジメントを経験。2013年6月に株式会社ABEJAに参画。同年9月に取締役に就任。COO・CFOなどの主要役職を歴任。シンガポールを中心とするASEAN事業・組織を統括、SOMPOホールディングス株式会社、ヒューリック株式会社との資本業務提携などを推進。大企業経営陣と共にデジタル・データを軸とした成長戦略立案に従事。CEO室長を経て、2023年11月より現職。
森田 潤也(もりた じゅんや)さん(画像右):株式会社ABEJA 経営戦略統括部/人事G兼コーポレートデザインGグループマネージャ
大阪市出身。京都大学では理系で大学院に進むも、当時自身も利用し人の生活を変える可能性をSNSに見出しミクシィに入社。事業戦略室でSNS事業の戦略策定、財務レベルの経営戦略推進などに従事。2014年よりグループ会社へ出向し、取締役に就任しグループ会社内の2社統合を推進。その後フリーランスになり複数会社でM&A案件のサポートなどに従事。2017年より株式会社ビズリーチにて営業、企画職としてビジネスモデルチェンジを推進した後、2018年よりABEJAに参画。管理部門責任者としてIPO準備・審査対応、組織づくり、資金調達などに従事。2020年12月より執行役員コーポレートデザイン統括部部長、2023年9月より上場後の人事体制強化のため現職に従事。
丸山 椋大(まるやま りょうた)さん(画像左):株式会社ABEJA 経営戦略統括部/人事グループ/採用1T
福岡生まれ静岡育ち。大学卒業後、大手証券会社で法人営業を経験した後にリクルート(旧リクルートキャリア)に転職。人材紹介の法人営業を担当し、年間1000人規模の採用プロジェクトなどにも従事。その後、教育系ベンチャーにて人事・CSなどを経験し、2023年からABEJAに参画。
續慶一(つづき けいいち):株式会社Izul 執行役員 https://izul.co.jp/consultants/tsuzuki/
「テクノプレナーシップ」をもって、日本の産業構造の改革を進めていきたい
ーさっそくですが、ABEJAの特徴について教えてください。
外木:まずお話ししたいのが「ゆたかな世界を、実装する」という私たちの企業理念です。自分たちや会社単位だけでなく、会社間・産業間、国、地球単位でのゆたかさを実現したいと考えています。
私たちは「実装する」という言葉に、実現する、という決意をこめて使っています。テクノロジーを活用すれば10倍以上の成果が出せることもある。10年~20年後に社会で必要とされる産業構造変革を見据えた世界観を想定して、「それらを今まさに実装するとしたら」を討議して、未来を作る会社でありたいと考えています。
續:ゆたかな世界を実装していく手段として、AIなどのテクノロジーに目を付けたということですね。続いて、ABEJAの強みについて教えてください。
外木:最先端のテクノロジーを用いて企業の根幹をも左右しうるミッションクリティカルな領域の課題を解くことに実直に向き合ってきた点です。その結果、多くの成果を出すことができ、NVIDIAやGoogleといった海外の大手企業との資本業務提携にもつながっています。
私たちがさまざまな業界のプレイヤーと仕事をしてきて感じているのは、単一産業、一企業単位では業界を跨いだ大きな課題を解決することが難しいということです。そのため、日本の産業構造の変革を担っていくべきだと考えています。
續:産業構造の変革はなかなか難易度が高そうです。
外木:もちろん一筋縄にはいきません。しかし今こそ、蒸気機関の発明による第1次産業革命、電力・エネルギーによる第2次産業革命、コンピュータ・情報技術による第3次産業革命など、産業や社会の構造を大きく変えるようなイノベーションを起こし、課題に対して、本質からアプローチし、10倍、100倍の変革を生み出さなくてはいけないと考えています。
例えば、保険会社は保険の販売・拡大を考え、医療業界は病気の治療に取り組みます。食の産業は食を届ける・売ることを考えますよね。一見別のことに取り組んでいるように見えます。
しかし、DX・AIを起点にして考えると、病気の予防や長寿、幸福の実現という共通のテーマに取り組んでいるといえるのではないでしょうか。介護や医療では食事や睡眠、排泄などのQOL向上、Well-beingの向上が重要であり、「食」はQOLやWell-being向上に非常に重要な因子(要素)です。このようにテーマはつながっているのに、特定の産業や企業の視点からに囚われて、課題の全容や取るべきアプローチはなかなか見えてこないケースは現在多々あります。
先ほど申し上げたいずれの産業革命においても、テクノロジーがベースでした。テクノロジーの進化によって、変革が生まれるのだと考えています。
續:ABEJAのVisionとMissionについて教えていただけますか。
外木:ABEJAのVisionは、「イノベーションで世界を変える」、Missionは先ほど申し上げた「テクノロジーの力で産業構造を変革する」です。世界は有限で、大きなイノベーションが起きない限り、その有限な資源・資産を分配する仕組みになっています。
しかし有限の資産を分配するだけではジリ貧になってしまい、ゆたかな世界になりません。「ゆたかな世界を、実装」するためには、全体のパイを大きくする必要があります。そのためにはイノベーションが不可欠であり、イノベーションの最大の原動力となるのが「テクノロジー」だと考えています。
これが「イノベーションで世界を変える」をVisionに、「テクノロジーの力で産業構造を変革する」をMissionに掲げている理由です。
續:そのイノベーションを生み出す上でABEJAが大切にしていることはありますでしょうか?
外木:我々が大事にしているのは「テクノプレナーシップ」という考えです。リベラルアーツとテクノロジーは円環していて、それをアントレプレナーシップでやりきるという想いをこめています。
ABEJAはリベラルアーツとしてAIを含め最先端技術はときに悪用もできてしまうからこそ、高い倫理観を重視する事が重要だと考えています。「テクノロジーをどのように実装していくか」「どのような社会を実現していくか」を専門家として見極め、時には社会実装の方針を軌道修正する視点を磨くことが重要とも考えています。
そして、社会実装するためにはお金が必要になるので、テクノロジーとリベラルアーツだけでなく、アントレプレナーシップ(ビジネス的な発想)をもつことも重要なのです。
世の中の課題はこの3要素の間に落ちていることが多いですが、ABEJAのメンバーがテクノプレナーシップをもち関係者それぞれの主張を具体的に理解をした上で推進することで円滑に関係者を巻き込んでいくことができるようになる。そして、関係者の想いを汲み取って実装まで並走するからこそ、「ABEJAは頼りになる」と経営者の方々に理解をいただいています。
そして成果にコミットして高い信頼を積み上げてきた結果、ミッションクリティカル領域で、DX・AIの最先端技術を組み込む役割を担わせていただいています。
クライアントの対面ではなく、隣りにいる存在でありたい
―どのような点がクライアントから評価されていますか?
外木:「従来のコンサルやSIerのようなアドバイザーとしての役割ではなく、CDOのような圧倒的当事者として、一緒に苦労しながら最終責任までもってくれる」という声をいただいています。実際に数十億円レベルの収益の貢献につながった事例もあります。
大事にしているのはお客様の対面に立つのではなく、ワンチームでいること。クライアントの横に座って一緒に悩みながら解決していけば、クライアント社内を色濃く理解できるので、優先順位を間違えることもありません。さまざまなAI軸でのデータをもち、産業ドメインの深いナレッジを持つABEJAだからこそ、ナレッジの掛け合わせで新規事業を創出したり、既存事業の効率化にも貢献できます。
續:ワンチームという関係性は、なかなか作れるものではないですよね。関係構築において意識していることはありますか?
外木:アドバイザーのような外からの立ち位置ではなく、当事者意識を持ち忖度せずに発言したり、一緒に意思決定をしたりすることを心がけています。「我々の会社のCDOや新規事業責任者になりたいですか?」と聞かれたとしたら、「もちろんです」と答えられるほどに我が事として考え抜くことを強く意識しています。
續:御社は「CDO輩出企業になりたい」とおっしゃっていますよね。産業構造の改革にあたっては、各産業のトッププレイヤーと事業連携をつくりながらやっていく必要があります。しかし、現状では各企業にCDOのようなデジタル分野の意思決定ができる人材が少ないのではないかと感じました。
外木:実はCDOや近しいポジションの方々は多く、会社が未来で必要とされるために尽力されている尊敬する方々も多いです。しかし、その方たちの熱量を加速させるパートナーが本当に少ないためABEJAがCDOやCDOのパートナーとなり得る方を日本中、世界中に輩出することを目指しています。
パートナー企業が自社の利益や得意な領域にだけこだわっていては、企業の改革は進んでいきません。パートナー企業が自社利益ではなく、産業全体の利益の最大化に軸足を置くことができれば、当事者意識は高まり産業構造が変わります。ABEJAがそんな存在になれるよう頑張っていきたいと考えています。
少し話がそれますが「失われた30年」という言葉があります。私は現在35歳ですが、失われた世代と言われることを不本意に思います。日本の魅力はたくさんあるし、自分たちの世代が日本をまだまだ変えていけると考えています。
だからこそ、日本の強みを世界に打ち出し、産業構造の変革をしっかりとリードするポジションにABEJAがついていきたい。そして、テクノロジーの強さを活用して日本社会に貢献し、ABEJAを経験した人材が日本から世界へと飛び立っていく。そんな循環を実現したいです。
私たちがDXやAIを有効活用し、自分たちのケイパビリティを産業や機能ごとに強化していくことで、ニーズに応えられる余地は無限に広がっていくと考えています。
AIの知見がなくても、技術への知的好奇心がある方なら成長できる
―創業から11年、どのような困難がありましたか?
續:11年間歩んでこられた中で、AIを取り巻く環境も変わってきています。2022年にChatGPTが出てきたことで、AIへの認識が急に広まった印象がありますが、これまで大変な時期もあったのではないでしょうか?
外木:その都度大変なことはあるのですが、乗り越えてきているので具体的に語ることが実はあまりないんですよね。創業時にAIの可能性を語る私たちは、妄想を話しているように思われていたかもしれません。しかし、今は具体的に語れる事例が数多くあり、数値のインパクトも出ていて、世界との接点も増えてきました。2023年には上場も果たしましたが、私たちが実現したい未来に対してようやく1合目に着いたばかりです。これから山を一緒に乗り越えていける仲間を増やしたいと考えています。
―どのような人材を求めていますか?
續:各企業のCDOの隣りにいて一緒に加速させていくのがABEJAならば、求める人物像は非常にハイレベルですよね。
外木:高難易度ですが、AI黎明期から11年の実装経験を積んできたノウハウを早期にキャッチアップできます。ABEJAでの経験によって、10年後に社会からテクノプレナーとして求められる人材になっていけるでしょう。関与する案件はゆたかな世界を実装するための価値ある仕事ばかりで、非常にやりがいがあります。
だからこそ、今のABEJAと違う強みを持った方々にもぜひ来てほしいです。AIの知見がなくてもテクノロジーに対する知的好奇心がある人なら、入社後に伸ばしていける土壌があります。
困難な山を登ることになりますが、ABEJAを卒業した人たちには起業家が多く、ここでしかできない経験ができます。「CDOやCTOになる」「社会をよりゆたかにしていきたい」など大きな展望をもつ方だとうれしいです。
續:23年にはグロース市場に上場をされています。今後の展望についても教えてください。
外木:基盤であるABEJAプラットフォームの拡充はもちろん、医療や介護、食や観光、エンタメなど日本が強い産業をABEJA Platformを含めたソフトウェアを有効活用して、どんどんつなげていきたいと考えています。各産業のリーダーたちに仮説をどんどん投げかけ、一緒に盛り上げていきたいです。
そのために必要なのは、非連続な成長のためのM&Aや、組織や経営人材の強化です。ゆたかな世界をつくるという熱量と想いをもったピュアな仲間を集めて、ABEJAを伸ばしていきたいと考えています。
Izulは、理解の難しいビジネスモデルや人材要件をしっかりと把握してくれる
―Izulと取引が始まったのは、どんなきっかけでしたか?
森田:共通の知人を通じて、續さんからご連絡をいただいたのがきっかけです。
續:私自身は、一人が入社したときのバリューやインパクトが大きく、トップラインを上げていけるような紹介に携わることに特にやりがいを感じます。そういった観点で、AIベンチャーである御社に連絡しました。
森田:私たちの求めている方のレベルが高く、ビジネスモデルや要件が難しいため、理解いただけるエージェントさんが少ないのが課題でした。しかし、續さんはしっかりとABEJAを理解した上で、実際に2名の支援をしていただき心強いです。
―Izulと取引をする中で、印象に残っていることはありますか?
丸山:候補者のWillを大事にされていることをやり取りの中で感じました。一例として、前職の給与水準が高く、転職の際にどうしても年収がダウンしてしまう方がいました。なかなか意思決定が難しい状況だったと思うのですが、續さんは候補者に対して「一番大切なことは何ですか?それを実現できるのがABEJAではないですか?」という問いかけをされていて、親身に話を進められていました。結果としてご入社いただくことができました。その方に今日の取材のことをしたら續さんにとても会いたがっていて、信頼されているのだと感じています。
續:僕自身、アーリーステージやベンチャー企業が非連続な成長をするためのキーとなる人材採用に、モチベーションが上がります。たしかに御社の採用の難易度は高いのですが、それだけに燃えています(笑)
御社が求めているような方に出会ったとき、その方のWillと御社側のWillが合っているなら、どうしたらうまく接合できるだろうかと考えています。ただ、なかなか転職市場にいらっしゃらない方々ではあるというのも事実です。
森田:どのように探していくのかも一緒に考えていけたらと思っています。今後もよろしくお願いします。
―ありがとうございました!